松田:で、ジャンルとか素材とか微妙な意匠の有無とか、その辺を組み合わせて今はこの3本って感じ。この太いのは吉田さんとこのやつ。
アメリカの合理主義に漂白されたジュエリー匿名:いや誰笑
松田:そういうファビュラスな人がおんねん。前にお茶したとき、ジュエリー大好きやから人と話してる間も手元で指輪いじってて、まあ落としてこっちの足元まで転がってきて。
匿名:子供じゃん。
松田:それはそう、ただその点はおれもやってまうからなんとも言えん。ほんで結構ええやんってなって後日こっそり買った。
匿名:へー。

松田:ほんまに結構よかってん。デザインもそうやねんけど、それを具体的に形にするアプローチが非常に誠実というか、まさかこんなちゃんとやらんやろくらいで。
ジュエリーってやっぱ難しくて、基本的に今はもうCADでデザインするねんな。そうするとなんでもできてまうねんけど、それを実際の生産背景に落とせるかとか、技術的にどういうアプローチが可能かとかってまた別の話やん。
あるいは一連の皇帝にしたって、順番が変わるだけでテクスチャが全然ちゃう感じになるとかはザラで、さらに現場の職人は良くも悪くもプロで言われた通りにしたしないから、その辺はオーダーする側がきっちりと詰めなあかん部分やねん、職人に提案された内容そのままでやったら絶対に上手くは仕上がらない
その辺がすごく丁寧というか、このデザインを製品にするならまあこのやり方しかないよなって感じ。
それがそれ?
いや、これはまた別のデザインのやつ笑 その日見たやつは悪くなかってんけど、デザイン自体にちょい観念の残滓が見える感じあって…まあ個人的には好みではなかった。それだけ。むしろ一般的に言えば、あの指輪は買ったほぼ全員が幸せに見につけられると思うよ。
これはチャンキーなバンドリングとしては抜群ちゃう? デザインは完璧やし着け心地ばりいいし、値段もぼちぼち安いでしょ。
まあベースは甲丸の幅の広いバンドリングやんね…なんだけど、断面にフラットな平面がうっすらおる感じあるやろ、これがええねん。これがあることで壁が立ちたがる印象になるというか、肌からの高さが強調されるねん。厚みがある印象が強調されて、いかにもチャンキーに見えるよね。あとは甲丸部分のカーブが間延びするのを切り落とすようになって、その辺もデザインにメリハリが生まれていいよ
あとはびっくりするくらい着け心地がいい、まじでお世辞じゃなく、というかお世辞を言うインセンティブ特にないねんけど、これまでつけた指輪の中で一番指馴染みがいい気がする
まず前提としてリングの指に接する部分って、平たいか丸いかのグラデーションの中にあるねん。平たいと指への吸い付きがいいけどちょっと窮屈な感じになって、丸いと窮屈さはないねんけどどこか落ち着きがないというか、設置面積が少ない分なんか落ちそうで不安になるねんな。
平たい系の場合はサイズを大きくすれば窮屈さはなくなるけど、その分ちょっとでも指輪が傾くと設置面積が一気に少なくなってすごく不安定な感じになる。丸いけいはサイズを小さくすれば落ちる感じは無くなるけど、指に埋まる感じが見た目にキモいというか、指からの高さを出しにくくなる。
だから内側は、極端すぎない逆甲丸、限りなく平面に近い頂点から、角に向かうに従って急激にRがキツくなるような形がいいねん。めっちゃザルいけどエアーズロックみたいな断面がいい
ただこの塩梅は死ぬほどむずくて、ちょっとでも外すとじゃあいっそ素直な丸かフラットのほうが良かったってなりかねない。このカーブの塩梅がこの指輪はめちゃめちゃうまい。しっかり吸い付きがあるけど窮屈ではなくて、多少リングが傾いても設置面積があまり変わらなくて落ちる感じがない。指の肉に埋まる感じにもならず、高さを出せるから見た目の印象も強い。結構完璧に近い
しかもさっきのやつと違って、観念の残滓みたいなのが全くないのもいいよね。これおれが作ったら、断面のフラットな面をもう少しストレートに表現してまうとおもう。でもそれやとあかんねん、日々垢の出る生身の肌に身につけるものとしてはちょっと理屈っぽすぎると言うか、。でもこれは平面部分から外側へのRが結構大きくて、それもわりと均質じゃないでしょ。こうなるともう完璧やんね。
まあ強いて言うなら…まじで強いてやし、こんなこと気にしているブランドほぼ皆無やから無視でいいねんけど、このデザインは曲面のパキッと感が大事やから、シルバーでやるなら熱処理して析出硬化までやっていれば良かったよね
そういう超めんどくさい仕上げの仕方があって、それをするとAg925の場合硬度が倍くらいになるねん。これまでにそれをやっているなと確信できたブランドは一個しかないな。でもまあ自分がつけるやつは自分で勝手にやるからいいねんけど
でも普通はみんな丁寧に扱う気がするし、全然気にしなくて大丈夫。なんしかこの指輪はほんまにええよ。
そっちの人差し指のやつは?
これはいわゆるインディアンジュエリーやね、ネイティブアメリカンのアーティストが一個づつ作ってるやつ…てかそうやわ。そもそもこれを買ってから、時代はバンドリングとか思って他も買ったんやわ。
それは高いの?
この中で一番高い、家賃の5倍する。
まあうちは家賃がアホほど安いからね、これはもう思想やからいずれ聞いてほしいねんけど。
やっぱインディアンジュエリーはいい、というかその他のジュエリーとは全く違う。インスタの写真と日本画くらい違う。それで言うと世相とかいろいろ込みで、今買うのはインディアンジュエリーしかないよ。
これはペリーショーティーっていうアーティストのやつ、存命のアーティストとしてはまあレジェンドの一人と言っていいんじゃないかな。これをロットいくつで生産しているような指輪と並べていて、かつそれが同じアメリカのTiffanyなあたりは、理屈だけの話やけどでも結構いいゲームができていると思っているねん。
へー、
まあ興味ないよな
